原作とはまるきり違うストーリーなのに、原作とおなじくらい、いえいえ、原作よりいいかも！といってもいい映画ってありませんか？
わたしにはその究極としての映画が2つあります。
ひとつは「メリー・ポピンズ」で、もうひとつは「Winnie the Pooh クマのプーさん」。アニメの方ではなく、「Christopher Robin プーと大人になった僕」の方です。
大人になったクリストファー・ロビンの元に子ども時代のぬいぐるみのプーがひょっこり現れます。
なぜ？ なにをしに？
たすけにくるんです。
みーちゃんも、子どものいない私たち夫婦の窮地のときに現れてくれた、まさにプーのような存在でした。
風船を買ってほしいというプーに、クリストファー・ロビンはいいます。
「どうしても“必要”？」
「“ひつよう”じゃないけど、もってると、しあわせな気持ちになれるんだ」
プーの純真無垢なまなざしとことばは、みーちゃんが生涯わたしにしてくれたことをそのままあらわしているようで、とてもこころに響きます。
・・っていうか、映画の間じゅうこうした台詞やシーンがたくさんあって、ささりまくり！
エンディングロールの最後に流れる歌も、プーからクリストファー・ロビンへの語りかけというか、手紙のようになっている歌詞で、これがまたいいんです〜。
クリストファー・ロビン 何が見えるか教えて。
昔のぼくらをおぼえてる?
特別な友だちであるきみと、えんえんひまつぶし。
“何もしない”をするのに一日中忙しかったっけ。
トンクリ(ドングリ)をひろったり、小枝をふりまわしたり、
とにかく”何もしない”をするのが、
ぼくときみのいちばんの楽しみだった。
クリストファー・ロビン
ぼくらは初めから離れられないと決まってた。
毎日会って、昔みたいに遊ぼう。
クリストファー
きみはいつも、ぼくの心のなかにいるよ。
最後のところは原語では
Christopher, you will always stay here, in my heart.
となっています。
未来形で、これからだって、いつもいっしょなんだよ、と言っています。
みーちゃんからのあたたかいメッセージのようで、何度見ても泣けてきます。
何もしなくとも、ただ一緒にいるだけでしあわせ。犬ってまさににそういう存在ですよね。
みーちゃんが来てくれて、人生は子ども時代が再び戻って来たように単純になりました。プーとクリストファー・ロビンのように。
それまでは、いろいろな人が羨ましかったものです。でもみーちゃんが来てくれてからは、誰か他の人の人生を羨ましいと思うことは、いつのまにかなくなっていました。
この映画の見どころは、プーたちぬいぐるみのかわいさでもありますが、みーちゃんへの感謝を込めて、プーのぬいぐるみを作成してみました。映画のプーそっくりに作れたとおもうのですが、どうかな〜？
同じようなストーリーで、映画「The Kid」があります。
こちらは、大人になった“犬を飼っていない”主人公のもとに、自分の夢を思い出してもらうために、時空をこえて子供時代の自分が現れる、というもの。
豪邸に1人で住む世間では成功者であるはずの主人公。40歳の誕生日を目前にしたある日、8歳の自分が突然、現れます。
「好きな人と結婚もしてなければ、犬も飼ってないの？」と子ども時代の自分は責めたてます。
犬好きな彼にはそれが自分の将来の姿だとは、どうしても信じられないのです。
私たちもこの点は一歩まちがえたらそうなっていただろうな〜と思うと、ひやひやします。
いざ飼おうとすると、なかなか決心がつかず、何度もためらったからです。
ユアン・マクレガー扮するクリストファー・ロビンも良かったですが、キッドの主人公の大人役ブルース・ウィリスと子役のスペンサー・ブレスリンが名演コンビです。
このふたつの映画、ときどき見返して、みーちゃんがおしえてくれたことを、いつまでもわすれないでいたいです。
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