みーちゃんが旅立った日の夜、不思議なことがありました。

ふだんから枕元に置いて、よく眺めていた子犬時代の写真がありました。それを見ようと、手を伸ばした時に、その下にずっと置きっぱなしになっていた「英語で読む 星の王子さま」の本がなんとなく気になり、ぱっと開いてみました。
すると、
I will look as if I am dying, but that will not be true…
という一文で始まる箇所が目に飛び込んできたのです。
「ぼくは死ぬように見えるかもしれないけど、本当はそうじゃないんだよ‥」
となりには、もう息をしていないみーちゃんがいます。
偶然でしょうか。
この本は何年か前のバレンタインに、英語を勉強しているパパさんに、マグカップとペアでプレゼントしたものです。
わたしは驚いて、パパさんにこのことを話しました。
そして、ふたりで、みーちゃんからのことづてとしか思えないそのシーンを読み直したのです。
‘I will look as if I am dying, but that will not be true…”
「ぼくは死ぬように見えるかもしれないけど、本当はそうじゃないんだよ‥」
“You understand. My home is very far. I cannot bring this body with me. It’s too heavy.”
「わかるよね。ぼくの家はとても遠い。この体を持っていくことはできないんだ。重すぎるんだよ」
“But this body will be like an empty shell, like the bark of an old tree. This is not sad…”
「でも体はぬけ殻みたいなもので、古い木の樹皮みたいなものなんだ。だから、悲しくないんだよ‥」

王子さまは、別れ際にきみに贈り物があるよ、と言って笑います。
きみは切なくなって、王子さまに向かって言います。”I love to hear your laugh.”「ぼくはきみの笑い声を聞くのが好きなのに・・」
すると王子さまは、それ(笑うこと)こそが、ぼくからの“贈り物”なんだ、と。どういう意味?と訊ねるきみに、王子さまは続けます。
夜になったら星空を見上げてね。
王子さまが住んでいる星はとてもとても小さな星だけど、そこからいつもきみに笑いかけているから、と。
でも、あまりに小さすぎるから王子さまの住む星が見つけられなくて、けっきょくは全部の星がきみに笑いかけているように見えるはずだから、と。
“And when you are feeling happier(we always feel happier, after a while) you will be glad that you have known me.
「そしてきみが再びしあわせを感じるられるようになったら(どんなときでも、少したてば悲しみはやわらぐものだからね)、ぼくと出会えたことを良かったと思えるようになるよ。
You will always be my friend. You will want to laugh with me.
これからもきみは、ずっとぼくの友達で、もう一度いっしょに笑いたくなるはずだよ。
そうなったら、窓をあけて。星を見て、と王子さまは言います。実際、きみは星空を見る度に笑いたくなるよ。
だから、ぼくからの贈り物っていうのはけっきょく、星たちそのものではないんだ、小さな鈴のように鳴り響く、きみとぼくの笑い声のことなんだよ。
あたかも、笑う小さな鈴をきみにあげたみたいでしょ。星々の輝きのしるしとして、さ。
“It is as if I have given you little bells that laugh, instead of stars…”
鈴、と、ここまで書いて、再びはっとしました。
これもまた偶然でしょうか。
みーちゃんのお散歩用ハーネスにつけていたお守りの鈴を思い出したのです。
今日はちょうど、みーちゃんがお空へ旅立ってから49日めになります。
パパさんはそのあいだずっと、みーちゃんの代わりに、そのお守りをつけて、ひとりで海岸を散歩し続けていました。
出かける時や帰って来た時に、お守りの鈴の音が聞こえると、まるでみーちゃんがいまだにそばにいるかのようでした。
実際、そうだったのかもしれません。

サン=テグジュペリは、この物語を友人のジャーナリストであるレオン・ヴェルトに捧げています。
つらいことがあって笑えなくなった友人のために書かれたやさしい物語は、出版当時の政治状況を汲んで、児童文学の体裁をとって発表されました。具体性に欠けた寓話的な言い回しがかえって、どんな悲しみにも寄り添ってくれる包容力を持っているのかもしれません。
お空へ還ったみーちゃんから引き継いで、今やパパさんがいつもつけているこのピンク色のお守りの鈴の音。

あの、かわいい、ほっとする音は、みーちゃんの笑い声なのでしょうか。
悲しみがやわらいで、いつかまた、ただ自然に、みーちゃんと一緒に笑いたくなる日が来るまで、この本もブログ自体も、わたしたちのもうひとつのお守りなのかもしれません。

49日めに、Illustrator でパパさんが作成してくれた記念カード。今後はみーちゃんの絵は見れないのかも・・とさみしく思っていましたが、へたウマみーちゃん復活です。これからもときどきは描いてね。
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